2013年 05月 09日
Mr. Bo 引退 |
Boは、スウェーデンの北の端で良質のネーベル(白樺樹皮)を採取していた、とても信頼できる職人さんです。
ネーベルは初夏の約1ヶ月しか採取することができない、それも立木から採取するため、良質でなおかつ樹木にダメージを与えないものを採取するには見極めがとても重要です。
スウェーデンは日本の1,2倍の国土を持つのに対し、人口は10分の1以下。人口密度がぜんぜん違います。そして上質のネーベルは、人里(かな〜り)離れた森の奥深くに存在します。
彼は長い間この事業に携わってきたので、その腕はピカ一。
私が知り合ったネーベルスロイド(白樺樹皮工芸)職人さんたちは、たいてい彼から材料を仕入れていました。
でもネーベルを採取できるのはたった1ヶ月。というわけで、秋以降の彼のmain jobはトナカイのハンティング。スウェーデンではトナカイを食肉として扱うため、ビーフジャーキーならぬトナカイジャーキーも一般的なのです。
ひょっとしてサーメ人(北極圏を移動する遊牧民)?なんていう憶測も飛び交っていましたが、どうやられっきとしたスウェーデン人らしいBo、この夏からは趣味のハンティングに専念してネーベル採取からは引退してしまうそうです。
それは、彼が義務感よりも自らのライフスタイルを優先させた結果で、なんだかそれもゆったり大らかなスウェーデン人らしいなーと納得してしまいました。
気になる材料調達ですが、Brorの協力のおかげで別ルートからこの夏も良質のネーベルを確保出来る準備は整っています。
Boとは何度か電話で話したことがあって、毎年クリスマスカードを送っているにも関わらず返事はなし。ちょっと気難しいところがある彼ですが、ネーベルを通してよい友好関係を築けたと私は思っています。もちろん、今年もクリスマスカードは送るつもり。
ふとした気まぐれで、またネーベル採取してくれないかなーと思いつつ、Boにはお疲れさまと言ってあげることにします。
by mrs_karin
| 2013-05-09 00:18
| スウェーデンのこと